「さぁ、離乳食スタートだ~!」と意気込んではみたものの、栄養のバランスっていつからどうやって考えたら良いの?と思うママもたくさんいると思います。
離乳食とひと言でいっても、準備するものやメニュー・レシピなど考えることが色々あります。
簡単には始められないと思っているママも、離乳食を楽しくスタートできる考え方を身につけていきましょう。
離乳食では、栄養の偏りがないよう心がけ、色々な食材をバランスよく取り入れましょう。
赤ちゃんが急速に成長をする時期でもありますので、栄養バランスや食べる量を考えてあげることも重要です。
赤ちゃん一人ひとりの月齢や成長の度合いに応じた進め方や量を、考えて食べさせてあげることが大切です。
正しい食習慣を身につけることは、離乳期だけではなく将来にわたって必要不可欠です。
- 3食をバランス良く食べる。
- 好き嫌いをなるべく少なくする。
- 偏食をなくす。(偏食=特定の食品だけをえり好みして食べること)
- 食生活のリズムを正しく身につける。
食生活は、一生涯にわたって生きていく上での中心となっていきます。
「おいしいね」「たくさん食べたね」「すごいね」など、赤ちゃんの嬉しくなる言葉をかけ、楽しく食事ができる雰囲気も同時に作っていきましょう。
特に離乳食をスタートしたばかりの頃の赤ちゃんは、”食べる” ことよりも ”ママにほめられる” ”ママが喜んでくれている” ということが「食べる楽しさ」に繋がっていきます。
離乳は卒乳?どんなことを意味するの?
”離乳” とは、母乳や育児用ミルクなどの乳汁(にゅうじゅう)栄養から幼児食に移行するまでのことを言います。
母乳やミルクなど、液状のものしか吸うことができなかった赤ちゃんは、食べ物を口に入れて押しつぶしたり、かみつぶしたりしながら食べ物と唾液をまぜ、それを飲み込めるようになります。
離乳は、開始からおおよそ1年かけて階段を一段一段あがるように、少しずつレベルアップしていきます。
色々な食べ物に慣れさせることで、食べられる食品の種類や量もだんだん増えていきます。
最初は ”おかゆ” だけだった離乳食も、バリエーション豊かな献立や様々な調理方法によるものなど、変化に富んだものも食べられるようになります。
かみつぶしたり・飲み込んだりする機能も発達し、”自分で食べる” という行動も発達していきます。
離乳は、母乳やミルク以外の食べ物から栄養を摂ることで「卒乳」することでも「断乳」することでもありません。
卒乳~赤ちゃんが成長の過程で母乳を必要としなくなること。自分からおっぱいから離れていく意味合いが強い。自然に母乳から卒業していくこと。
断乳~期限を決めて母親側が母乳をやめること。
離乳食の基本の考え方
赤ちゃんにはそれぞれ発達の仕方が違い、個性があるので画一的な進め方にならないよう気をつけなければなりません。
育児本や離乳食の進め方に無理に当てはめようとせず、その子に合った離乳食の進め方を見つけていくことが重要です。
- 赤ちゃんの食欲
- 食べ物を食べるという行動(意欲)
- 発達の仕方
- 住んでいる地域の食文化
- 各家庭の食習慣
などを考えた上で、離乳食の内容や量をそれぞれの赤ちゃんに合わせて進めていかなければなりません。
現代は、小さな子どもでも生活習慣病が心配される時代です。
離乳期から健康的な食習慣を身につけ、正しい食生活の基盤を作っていきましょう。
離乳期は、授乳期に引き続き「赤ちゃんとママ」「母子・父子・親子」の関係作りの重要な役割をもっています。
離乳食は赤ちゃんの健康を維持し、成長や発達を促していきながら、親子関係がますます深まっていく面もあります。
赤ちゃんの成長や発達・毎日の様子を見ながら、無理のない離乳を進めていけるようにしていきましょう。
でも、あくまで「参考」にすることが大事だよね。
なぜ離乳させなくちゃいけないの?離乳の必要性を考えてみよう
赤ちゃんが母乳やミルクで満足しているなら、無理に離乳食を与えなくてもいい気がするんだけど・・・
でもね!赤ちゃんの発達にともなって、母乳やミルクだけでは必要な栄養を十分に取れなくなってしまうから ”離乳食” が必要になってくるの。
栄養補給が必要になってくるワケ
離乳食開始前の乳児は、優秀な栄養素を含んでいる母乳やミルクだけで健康を維持し、発育していくことができます。
しかし、発育に伴って母乳やミルクだけでは赤ちゃんの体に必要な栄養素の多くを十分に供給できなくなってしまいます。
体重の増加とともに、タンパク質やエネルギーが足りなくなってくるためです。
赤ちゃんは生後数ヶ月を過ぎると、消化の器官も徐々に発達し食べ物を消化して受け入れる準備ができてきます。
ちょうどこの時期に離乳食を与えると、体内の消化酵素が活性化されて、消化機能が発達していきます。
母乳やミルク以外の様々な種類の食べ物や食べ方を経験することで、味覚・嗅覚・触覚・視覚も刺激され、感覚器官の発達も同時に育っていきます。
鉄不足には要注意!
生後6ヵ月を過ぎる頃になると、赤ちゃんの体内にあった貯蔵鉄がだんだんと不足するようになってきます。
離乳食を6ヵ月を過ぎたあたりからスタートさせるのは、”鉄不足を補う” という意味合いも含まれています。
9ヵ月頃になると、いよいよ鉄分が不足しがちになります。
鉄不足は、”鉄欠乏性貧血” になりやすくなり、健康な状態を維持できなくなってきます。
だからこそ、母乳やミルク以外の食べ物から栄養を取り入れ、鉄不足を解消していく必要があるのです。
栄養バランスを考えて、鉄分も取り込んでいくようにしましょう。
離乳食から身につける食習慣
離乳食の役割や目的は栄養補給だけではありません。
将来にわたった健康な体作りや食生活の土台作りのためでもあります。
単なる栄養補給としての一面ではなく、「離乳食って楽しい☆」と思えるような環境や時間を感覚的に体感できるよう、ママも心のゆとりを持って一緒に離乳食を楽しめるように心掛けましょう。
咀嚼(そしゃく)機能
母乳やミルクを吸っていた赤ちゃんが、発達・発育に応じた離乳食を食べることによって、咀嚼と嚥下機能を少しずつ体で覚えていきます。
食べ物をかみ砕く力が身につくと、毎回の離乳食でもよくかもうとします。
咀嚼を身につけると、次にあげるような様々な効果が発揮されます。
- よくかむと唾液の分泌が多くなる
- 唾液と食べ物が十分に混ぜ合わされる
- 食べ物を飲み込んだ後、胃や腸での消化・吸収がよくなる
- 食べかすが歯につくのを防ぎ、歯の衛生状態が保たれやすくなる
- かむことであごの発達が促される
- 離乳食が終了し幼児食になってから、固めのものも好んで食べられるようになる
- 脳の働きを活発化させるので、食欲に関係ある中枢が活性化される
- かむと結果的にゆったりと余裕をもった食事ができるので、食べることの満足感や安定感が感じられるようになる
咀嚼~食べ物をかみ砕くこと
嚥下~口の中の食べ物を胃に飲み下すこと
食べる力
離乳食が進み、生後9~11ヵ月頃になると、赤ちゃんが食べ物を「自分でつかんで食べたい」と思うようになります。
食べることに意欲がでてきて、手づかみで食べようとするのです。
様々な種類の食べ物を見て、”自分で触ってお口に運んで味わう” という体験を通じ、自分から進んで食べようとする行動が育っていきます。
大人は、この赤ちゃんの発達をその子にあった形で応援してあげることが必要です。
離乳食は親子の関係作りにおいても重要な役割を果たします。
毎日離乳食をあげていると、ついつい「食べさせること」や「上手にきれいに食べること」がメインになってしまいがちです。
毎日の育児に追われていると、ついそう思ってしまうのも無理ないよね。
でも、無理やり食べさせたり上手に食べられないからと叱ってしまっていては、「食べたい!」という意欲も食欲もなくなってしまうし、そもそも「食べる」ことへの関心すら薄れてしまう可能性もあるんだよ!
結果的に量が食べられたり、上手に食べられたり、栄養補給も十分できて健康的な食習慣が身についていくことにもなって、食べる力がついてくる。良いことずくめ!
刷り込み(すりこみ)をしよう
現在の日本は長寿大国でもありますが、食の欧米化が進もと同時に生活習慣病も増えてきています。
離乳期の食べ物に初めて触れ・食べる頃から、日本の風土にあった古来の食品や調理方法で離乳食を食べることを意識しましょう。
そうすることで、欧米様式の食習慣にかたよることなく、日本本来の食文化の刷り込み(インプリンティング)が行われます。
- おかゆ
- こぶ・かつおだし
- 野菜
- 白身魚
- 青魚
これら昔から日本で食されている食材を食べることで、健康促進と生活習慣病予防に役立つ食生活が自然と身につくようになります。
刷り込み(=インプリンティング)~特定の物事がごく短い時間で覚えられ、それが長い時間にわたって持続する学習現象の一種。
動物の発育のごく初期の段階でおこる特殊な学習能力。カモ類などでみられる。
「刷り込み」を上手に活用すると、赤ちゃんにとって一生涯にわたって価値のある食習慣が身につくことになるよね。
それって、ママからの最高のプレゼントだと思うな。
離乳食の役割は世界で共通しているものではありますが、そのおおもとは「その国の風土や習慣にあったものを食べよう」です。
その国の人が昔むかしから食べている食材や料理を基本にして、食文化を親から子へと伝えていくことも大切です。
特に日本の和食は、世界からも注目が集まるほどの健康食でもあります。
生活習慣病や肥満は、食の欧米化によって引き起こされていると言われています。
赤ちゃんの将来の健康のためなのは勿論のこと、離乳食をきっかけにして家族みんなで和食のよさを再確認し、和食を見直す機会にしていきましょう。
離乳食の栄養バランスはいつから考えればいいのか
離乳食も栄養バランスって大事なんだよね?
でも今まで ”栄養のバランス” ってそんなに考えて献立を考えたり、料理していないかも…いつから、どうやって考えればいいの?
栄養のバランスをしっかり考えて毎日の料理をするのは、大変だよね。
でもね、栄養バランスの考え方は、実はとっても簡単なの!
赤ちゃんの離乳食に取り入れたいのは、大人と同じ3つの栄養素なんだよ。
離乳食に取り入れたい栄養素は次の3つ。
- 炭水化物
- たんぱく質
- ビタミン・ミネラル
この3つの食材を組み合わせながら毎回食べていると、自然と栄養バランスが整っていることになります。
炭水化物は、体内でブドウ糖に分解され肝臓に蓄えられます。
血液に運ばれ、脳や神経系や筋肉のエネルギー源となります。
たんぱく質は、血や肉となり病気に対する抵抗力をつけます。
タンパク質が不足すると貧血になったり体重が増えなくなってしまうこともあります。
ビタミン・ミネラルは、含まれる食材によっては作用は様々です。
カルシウムは骨や歯をつくり、ビタミンCは病気に対する抵抗力をつけてくれます。
なるほど。聞いたことがあるものばかりかも。
じゃあ実際に、炭水化物やたんぱく質、ビタミン・ミネラルって、具体的にどんな食材なの?
炭水化物・たんぱく質・ビタミン・ミネラルって言われても、なかなかピンとこないよね。
この3つの栄養素はとっても大切だし、意外と簡単に覚えられちゃうからこの機会に頭に入れちゃいましょう。
- ご飯
- うどん・そうめん
- パン
- スパゲッティ・マカロニ
- じゃがいも等
- 鶏肉・豚肉・牛肉
- たら・かれい・さけ・まぐろ・しらす
- 豆腐
- 卵
- 乳製品等
- 白菜・キャベツ・大根
- ほうれん草・ブロッコリー
- かぼちゃ・にんじん
- トマト・果物等
離乳食を開始した頃は、栄養のバランスについて神経質になる必要は全くありません。
それよりも、楽しく食べられる雰囲気作りや食べ物をお口に入れてゴックンすることが重要です。
ゆったりおおらかに離乳食を進めましょうね。