「せっかく作ったのに、子どもが一口も食べてくれない…」
そんな瞬間は本当にがっかりしますよね。
でも実は、この悩みはあなただけのものではありません。
ここでは、同じように悩むママ・パパが多いこと、そして成長の過程として“食べない時期”は自然にあることを解説します。
離乳食で同じように悩んでいるママ・パパはたくさんいる
離乳食を食べないのは「あるある」
赤ちゃんが離乳食を全く食べてくれないと、「私の作り方が悪かったのかな?」「何かの異常かも…」と不安になりますよね。
でも実は、この悩みは本当に多くのママ・パパが経験している“あるある”なのです。
特に離乳食初期や中期に差し掛かる時期では、「一口も食べなかった」「口に入れてもすぐに出された」などの声がよく聞かれます。
大人と違って、赤ちゃんは食べ物を“栄養”としてではなく、最初は“見慣れないモノ”として認識しているため、警戒したり、興味を示さなかったりするのは自然なことです。
厚生労働省が実施した調査でも、離乳食に関する悩みのトップが「食べてくれないこと」とされています。
これは特殊なケースではなく、ほとんどの家庭で一度は経験することなのです。
他のママ友に話を聞くと、「うちの子も最初は全然食べなかったよ!」なんて答えが返ってくることも少なくありません。
そんな声を聞くだけでも、ちょっと気がラクになりますよね。
赤ちゃんの発育や性格には大きな個人差があります。
すぐに興味を持って食べる子もいれば、警戒してなかなか口にしない子もいます。
それぞれのペースがあって当然。
「うちの子だけ…」と思い詰めずに、まずは“みんな通る道”と思って見守ることが大切です。
成長には個人差があるって本当?
赤ちゃんの成長や発達には大きな個人差があります。
これは医療現場でも繰り返し伝えられている事実です。
同じ月齢でも歩き出す時期や言葉を話し始める時期が異なるように、食事への興味を示す時期もそれぞれ違って当然です。
ですから、「あの子はもうパクパク食べてるのに、うちの子は…」と比べる必要はありません。
味覚や食感の好みも赤ちゃんによってさまざま。
舌が敏感な子は、少しの酸味や苦味にも反応して口から出してしまうことがあります。
「慣れていないだけ」であって、「嫌い」や「問題がある」というわけではないのです。
また、赤ちゃんの食欲や気分も日によって大きく変わります。
前の日は食べていたのに、今日はまったく食べない…そんな波があるのもよくあること。
大人でも体調や気分で食欲が変わるように、赤ちゃんも同じように感じているのです。
こうした違いを理解しておくことで、親の気持ちも少しラクになります。
焦らずに「うちの子のペースを見守ろう」と考えるだけで、育児がぐっとやさしくなりますよ。
ママ友との会話でも話題になる悩み
離乳食の話題は、育児中のママ友との会話でもよく登場します。
特に「食べてくれない」という悩みは共感を得やすく、「うちも!」「もう3日連続でおかゆ拒否されたよ」なんて笑い話になることもしばしば。
周りの体験談を聞くことで、「悩んでいるのは自分だけじゃない」と感じられ、心の負担が軽くなるものです。
ママ友から「うちはこうしたら少し食べてくれるようになったよ」というアドバイスをもらえることもあります。
ただし、そのやり方が必ずしも自分の子に合うとは限りません。
参考程度にしておくのがポイントです。
情報交換はとても役に立ちますが、「比較」は避けたいところ。
他の子が食べているからといって焦る必要はありません。
それよりも、「同じように悩んでる仲間がいる」と思えるだけで心が軽くなりますよね。
孤独になりがちな育児期間だからこそ、誰かと気持ちを共有できることはとても大きな支えになります。
SNSや地域の子育て広場なども活用して、安心できる情報に触れる機会を増やしてみましょう。
「うちの子も食べなかったけど今は大丈夫!」な体験談
実際に「全然食べなかったけど、今は何でも食べる子になった」というエピソードはたくさんあります。
離乳食初期は毎日格闘していたママが、2歳ごろには「もう少しゆっくり食べて〜!」とお願いするようになった、という話もよく耳にします。
こういった体験談は、今まさに悩んでいるママ・パパにとって希望になります。
「今はこんなに大変だけど、きっと時期が来れば変わるんだ」と思えると、気持ちも前向きになりますよね。
また、子ども自身がある日を境に急に食べ始めることもあります。
新しい食材に興味を持ったタイミングだったり、兄弟や親が食べているのを見て「自分も食べてみたい」と思った瞬間だったり。
きっかけはさまざまですが、大切なのは“自然にその時が来る”ということです。
焦らず、その子らしいタイミングを信じて待つ。体験談にはその大切さが詰まっています。
厚労省の調査から見える“普通のこと”という安心感
厚生労働省が実施している「乳幼児栄養調査」では、離乳食に関する親の悩みとして「食べてくれないこと」が最も多く報告されています。
これはまさに、赤ちゃんが離乳食を食べないという現象が“特別な問題ではない”という証拠です。
あなたの赤ちゃんだけがそうなのではなく、日本全国の多くの家庭で同じような経験がされているのです。
この統計データを見るだけでも、「あ、うちだけじゃないんだ」と思えて安心しますよね。
また、医療機関や自治体でも「無理に食べさせようとしない」「成長に合わせて進めれば大丈夫」といったアドバイスが基本となっています。
専門家も「食べない=問題」とは考えていません。
悩みを感じた時は、公的な調査や専門家の意見にも目を向けてみると、不安が和らぐことがあります。
信頼できる情報を得て、落ち着いて対応できるようになることが、子育てをスムーズにするカギになりますよ。
離乳食を食べない・・・発達の途中でよくある行動

食べないのは赤ちゃんの「成長中のサイン」
離乳食を食べないという行動、実は「発達の一環」と考えられています。
「食べない=問題」と思われがちですが、赤ちゃんにとっては自分の体の変化を受け止めている途中なのです。
ミルクから固形食への切り替えには、口の使い方や飲み込みの力、食べ物の存在そのものに慣れる時間が必要です。
その途中で「これはなんだろう?」と不思議そうに見つめたり、口に入れてすぐ出したりするのは、赤ちゃんが世界を学んでいる証拠とも言えます。
赤ちゃんは味覚も敏感。
塩分や酸味、苦味など大人が感じない微細な味も敏感に察知してしまうため、「今はちょっと無理…」と感じて食べないこともあります。
これも決して「わがまま」ではなく、「自分の体に合っていない」と感じている自然な反応なのです。
赤ちゃんが食べないのは、“成長の階段を上る途中”に見られるごく一般的な姿。
心配しすぎず、「今は体が準備中なんだな」とゆったりと受け止めることが大切です。
成長を信じて、赤ちゃんのペースに寄り添っていきましょう。
飲み込む力や咀嚼の力がまだ未発達
大人にとって当たり前の「食べる」という行為ですが、赤ちゃんにとっては一つひとつの動作が新しい挑戦です。
特に離乳食の初期~中期では、飲み込む力や咀嚼(噛む力)がまだ十分に育っていないため、思うように食べられないのは当然のことなんです。
スプーンを口に入れても、上手く飲み込めずに出してしまったり、モグモグと噛まずに飲み込もうとしてむせてしまったり…。
これは能力が足りないのではなく、まさに「練習中」だからこそ起こること。
歯の生え始めのタイミングや舌の動かし方など、ひとつひとつがゆっくりと発達していく過程にあります。
この時期は、「食べる」ことが成功するよりも、「口に入れてみた」「舌で動かせた」という小さなステップがとても大切です。
たとえ飲み込めなくても、体が少しずつ学んでいる証拠ですから、失敗しても問題なし!
大切なのは、焦らずゆっくりと進めていくこと。
「今日はどこまでできたかな?」と見守るような気持ちで寄り添えば、赤ちゃんも安心してチャレンジできますよ。
食感や味への敏感さが影響していることも
赤ちゃんが食べない理由の一つに、「食感」や「味」への敏感さがあります。
特に初めて食べるものに対しては、「何これ?」「ちょっと変な感じ…」と感じることも多いんです。
大人にとってはなめらかなおかゆでも、赤ちゃんにはドロドロすぎたり、口の中で広がる感触が苦手だったりすることがあります。
舌触りがざらざらした野菜のペーストや、酸味が少し強い果物のピューレも、赤ちゃんには「びっくりする味」として感じられることがあります。
このような反応は、体がまだ未熟な証拠でもあり、感覚が豊かな証でもあります。
無理に食べさせず、「今日はここまでね」と切り上げてあげることも、赤ちゃんの安心感につながります。
赤ちゃんの好みは日によって変わることもあります。
昨日食べたものを今日は拒否する…というのも、珍しくありません。
大切なのは、少しずついろんな味や食感に触れさせていくこと。
慣れていく中で、「これは好きかも?」と興味を持ってくれる日がやってきます。
月齢に合わせた対応でOK
赤ちゃんの月齢によって、できることや食べられるものは大きく変わってきます。
だからこそ、「月齢に合わせた対応」をしていくことがとても大切です。
生後5〜6ヶ月の初期では、まだミルクが中心の生活。
食べ物は“食事”というより“練習”の段階です。この時期は、1さじ食べたら十分!と思って大丈夫です。
無理に量を増やそうとせず、まずは“口に入れること”をゴールにしましょう。
生後7〜8ヶ月の中期になると、食材の種類も少しずつ増えますが、それでも赤ちゃんによって食べムラは大きくあります。
ここでも、「食べること=楽しい」と思える雰囲気づくりが大切。
決して焦らず、赤ちゃんの様子をよく観察して、反応を見ながら進めていきましょう。
9〜11ヶ月ごろの後期には、自分で食べたがるようになる子もいます。
この「自分でやりたい!」という気持ちを尊重して、手づかみ食べなどを取り入れると、食べる意欲がアップすることも。
月齢に合わせて「できること」を見極め、その子にあったステップを踏んでいくことが、スムーズな離乳食のポイントなのです。
専門家の意見も「焦らなくて大丈夫」
小児科医や栄養士など、育児の専門家たちも口をそろえて言うのが「焦らないことが一番大切」という言葉です。
離乳食は「いつから何を食べさせるか」よりも、「どうやってその子に合った方法で進めていくか」が重要です。
ある小児科医は「離乳食を始めたけどまったく食べない…という相談は非常に多いが、たいていの子どもは1歳を過ぎたころには自然と食べるようになる」と話しています。
“今だけ”の悩みである可能性が高いということ。
保健センターや育児相談窓口でも、「体重が順調に増えていて元気なら、多少食べなくても問題ありません」といったアドバイスが基本です。
赤ちゃんのペースを信じて、親が安心して構えていることが、赤ちゃんにも良い影響を与えます。
不安になった時は、育児本やネットの情報だけでなく、実際に医師や保健師に相談してみるのもおすすめです。
客観的な視点からのアドバイスがもらえると、気持ちがずっとラクになりますよ。
気にしすぎると逆効果!ママ・パパの心の余裕が大事

焦りが赤ちゃんにも伝わってしまう
「ちゃんと食べてほしい」と思えば思うほど、つい力が入ってしまうのが親心。
でもその焦りや不安、実は赤ちゃんにもしっかり伝わってしまうんです。
赤ちゃんはとても敏感で、ママやパパの表情や声のトーンから、空気を感じ取ります。
「なんで食べないの?」とついイライラした声で言ってしまったり、無言になってしまったりすると、赤ちゃんは「怒られてるのかな?」「なんか怖いな」と感じてしまい、「食べる=嫌なこと」というイメージがついてしまうこともあります。
もちろん、ママやパパも人間ですから、毎日同じように穏やかでいるのは難しいですよね。
「今日はうまくいかなかったな」と感じたら、深呼吸して気持ちをリセットしてみましょう。
完璧じゃなくても大丈夫です。
赤ちゃんは親の気持ちにとても敏感だからこそ、ママ・パパがリラックスしていることが、一番の安心材料になります。
焦らず「今日は食べられなかったね、また明日やってみよう!」という気持ちで接することが、赤ちゃんの「食べたい」気持ちを引き出す第一歩になりますよ。
食卓の雰囲気が「プレッシャーの場」に?
食事の時間がいつの間にか“親子のバトルの時間”になっていませんか?
「食べなさい!」「一口だけでも!」と声をかけすぎると、赤ちゃんにとって食卓がプレッシャーの場になってしまうことがあります。
本来、食事は「楽しい」「美味しい」と感じる時間のはず。
親が毎回真剣な顔で「食べてよ!」という態度を取ってしまうと、赤ちゃんは緊張してしまい、「ごはんって嫌なものなんだ」と学習してしまう可能性も。
ときには、スプーンをくわえさせようと追いかけたり、テレビで気をそらせながら無理やり口に入れたり…
それが習慣になると、食べること自体が苦痛になってしまうかもしれません。
大切なのは、あくまで「楽しい時間」を意識すること。
無理に食べさせようとせず、赤ちゃんのペースに合わせて「今日は何を感じたかな?」と観察するくらいの心構えで十分です。
気楽な雰囲気を作ることが、赤ちゃんの“食べたい”気持ちを引き出すコツです。
親が笑顔でいると子どもも安心
赤ちゃんにとって、親の笑顔は最強の安心材料です。
離乳食の時間でも同じで、ママ・パパがニコニコして「美味しそうだね〜」「一緒に食べようね」と声をかけてくれるだけで、赤ちゃんは安心し、食べることに対してポジティブな気持ちを持つようになります。
逆に、親の顔が疲れていたり、不安そうだったりすると、赤ちゃんは「なんか嫌なことが起きてるのかな」と察知してしまいます。
そんなときは、食べることより「食事の時間が心地いいこと」を大切にしましょう。
親が自分のご飯を美味しそうに食べている姿を見せるのも効果的です。
赤ちゃんは親の真似をするのが大好き。「ママが食べてるから、ぼくもやってみようかな?」という気持ちにつながることもあります。
とにかく、肩の力を抜いて「今日はこれだけ食べてくれたね!」と前向きに受け止めること。
それが、赤ちゃんにとっても、親にとっても、心の負担を減らしてくれます。
完璧を求めず「今日は食べなかったな〜」くらいでOK
「せっかく手作りしたのに一口も食べてくれなかった…」そんな日は、本当にがっかりしますよね。
でも、毎回完璧を求める必要はありません。
「今日は食べなかったな〜」とサラッと流せるくらいの心の余裕を持てると、気持ちがとてもラクになります。
実際、赤ちゃんは一日単位ではなく、数日〜1週間単位で栄養バランスをとっているとも言われています。
「昨日食べなかったけど、今日はたくさん食べた」などのバランスで見れば、多少のムラがあっても大丈夫。
毎食「ちゃんと食べなきゃ」と気を張ると、ママ・パパの心も疲れてしまいます。
そんなときは冷凍ストックを活用したり、市販のベビーフードに頼ってもOK!ママ・パパの負担を減らすことも、育児を続けていくうえでとても大切なことです。
毎日がんばる必要はありません。
「食べる日もあれば、食べない日もある」くらいの気持ちで、少しずつ進んでいきましょう。
気持ちがラクになる声かけや考え方の工夫
離乳食がうまく進まないとき、気持ちをラクにするための声かけや考え方の工夫がとても役立ちます。
「今日もがんばったね」「少しでも口に入れたらOKだよ」と赤ちゃんにも、自分自身にもポジティブな言葉をかけてあげましょう。
たった一言でも、その言葉が気持ちをふっと軽くしてくれることがあります。
「食べる=成功」ではなく、「食べようとした=成長」と捉えることも大切。
スプーンに手を伸ばした、においをかいでみた、口に入れてみた…それだけで十分に成長しています。
ママ・パパ自身も、「育児ってこうあるべき」という思い込みをゆるめて、「うちの子らしさ」を大事にすることで、気持ちに余裕が生まれます。
育児はマラソンのようなもの。長い目で見て、少しずつでも前に進めば大丈夫。
「今日はこれだけできた!」という小さな発見を、ぜひ楽しんでくださいね。
こうすれば少しずつ「食べる」につながるかも?

無理に食べさせない姿勢が大切
赤ちゃんがなかなか離乳食を食べてくれないと、「何とか一口でも食べさせなきゃ」と思ってしまいがち。
ここで大切なのは“無理に食べさせない”という姿勢です。
無理やり口に入れようとしたり、泣いているのに食べさせ続けたりすると、赤ちゃんにとって食事の時間が「イヤなこと」として記憶に残ってしまう可能性があります。
「食べること=楽しいこと」と思ってもらうためには、赤ちゃんのペースを尊重することが何より大切です。
スプーンを口元に近づけたけど顔をそむけたら、「今日はイヤなんだね」と一旦やめてみましょう。
その姿勢が、赤ちゃんにとって安心できる環境を作ります。
食べなかったときに「なんで食べないの!」と怒ってしまうのもNG。
赤ちゃんにはその理由が分かりませんし、プレッシャーを感じてますます食べなくなることもあります。
まずは、「今日はお口に近づけただけでもOK!」とポジティブに受け止めてあげること。
焦らず、赤ちゃん自身の「食べてみたい」という気持ちを待ってあげる姿勢が、結果的に“食べる力”につながっていくのです。
一緒に食卓を囲むことで興味を引く
赤ちゃんにとって、ママやパパの行動はすべてお手本です。
特に離乳食の時期は、「自分だけが食べさせられている」よりも、「みんなで食事をしている」という空気感の中にいる方が、安心できたり興味を持ったりしやすくなります。
ママやパパが隣で自分のごはんを食べていると、それをじーっと見つめて「それ何?」「おいしいの?」という興味を持ち始めることがあります。
こうした自然な興味が、「ぼくも食べてみようかな」という気持ちにつながっていくのです。
「一緒に食べる」ことによって、家族のあたたかさやリラックスした雰囲気も伝わり、赤ちゃんにとって“食事=楽しい時間”と感じるきっかけになります。
忙しい日々の中でも、できるだけ赤ちゃんと同じタイミングで食事をとるように心がけてみましょう。
ママやパパが「これおいしいね」と話しかけながら食べる様子は、赤ちゃんにとって最高の“学び”になります。
一緒に食卓を囲むだけで、食べる意欲は少しずつ育っていくのです。
食べ物の形や見た目を変えてみる
離乳食を食べない理由のひとつに、「見た目」や「形」が苦手ということもあります。
ペースト状のドロドロしたものが嫌いだったり、白いおかゆがつまらなく感じていたり…。
そんなときは、少し工夫して食べ物の形や見た目を変えてみるのもおすすめです。
おかゆを小さな団子状にしてみたり、野菜ペーストをハート型に盛りつけたりするだけで、赤ちゃんの反応がガラッと変わることがあります。
色どりも大切。
にんじんやかぼちゃのような明るい色は赤ちゃんの視覚を刺激して、興味を引きやすくなります。
最近ではシリコン型や抜き型など、可愛く盛りつけるための便利グッズもたくさん売られています。
そういったアイテムを活用して、ちょっとした「見た目のワクワク感」をプラスしてあげると、食べる意欲につながるかもしれません。
もちろん、毎回手をかける必要はありませんが、「今日はちょっとだけ工夫してみようかな」という気持ちが、赤ちゃんの“食べるきっかけ”を作ってくれるかもしれませんよ。
食べる量より「楽しく食べたか」を重視
離乳食でつい気になるのが「どれだけ食べたか」という量ですよね。
でも、赤ちゃんにとって大事なのは「どれだけ楽しく食べたか」なんです。
量にとらわれすぎると、食事の時間がプレッシャーになってしまい、本来の目的である“食べる練習”がうまく進まなくなってしまうことも。
たった一口しか食べなかったとしても、その一口を笑顔で食べられたのなら大成功!
食べながらニコニコしていたり、スプーンを自分で持ちたがったり、そういった行動はすべて“前向きなサイン”です。
逆に、量を増やそうとして無理に口に入れたり、泣きながら食べさせるようなことになると、食事=嫌な時間になってしまいます。
だからこそ、最初のうちは“食べる練習の時間”として楽しむことが何より大切です。
「今日はこんな表情をしてくれた」「自分から手を伸ばした」など、小さな成長を見つける視点を持つことで、親の気持ちもグッとラクになりますよ。
成功体験を積み重ねていくコツ
赤ちゃんが「食べる」ことに自信を持てるようにするには、小さな成功体験の積み重ねがとても大切です。
大人でも何かに挑戦して「できた!」と感じると、自信がついて次もやってみようという気持ちになりますよね。
赤ちゃんも同じです。
「今日は自分でスプーンを持てた」「一口だけでもゴックンできた」という小さな一歩をしっかり褒めてあげましょう。
「すごいね!」「上手にできたね!」という言葉や、笑顔でのリアクションが赤ちゃんの自己肯定感を育ててくれます。
何度も同じメニューを試すのも有効です。
最初は嫌がっていた野菜も、何回か見たり、少しずつ舐めたりしていく中で、ある日「パクッ」と食べてくれることがあります。
この「食べられた!」という体験が自信となり、次へのステップにつながっていきます。
ポイントは、赤ちゃんのペースに合わせて「できたこと」を積み重ねていくこと。
無理をせず、楽しみながら成功体験を積ませてあげることで、“食べること”が自然に身についていくようになりますよ。
「うちの子ペース」で見守るのがいちばん

他の子と比べすぎないこと
SNSや育児書、ママ友の話などで「うちの子はもうこれ食べてるよ」「3回食になってるよ」と聞くと、どうしても自分の子と比べてしまいますよね。
でも、赤ちゃんの成長には本当に個人差があるので、他の子と比べすぎないことがとても大切です。
同じ月齢でも歯の生え方、運動能力、好奇心の強さなどがそれぞれ違います。
食べる意欲や好き嫌いの傾向も千差万別です。
隣の赤ちゃんがモリモリ食べていたとしても、それは“その子のリズム”であって、あなたの赤ちゃんとはまったく違うのです。
比べることで生まれるのは、焦りとプレッシャー。
そしてその気持ちは赤ちゃんにも伝わってしまいます。
育児は、他の子と競うものではなく、“その子自身の成長を見守る”ことが本質です。
大切なのは「昨日の我が子と比べる」こと。
昨日より少しだけ多く食べた、ちょっと興味を持った、そんな小さな変化に気づいてあげることが、ママ・パパの心を穏やかにしてくれますよ。
「今は準備期間」と考えてみよう
離乳食がうまく進まないと、「ちゃんと食べさせなきゃ」という気持ちに追われがちですが、発想を変えて「今は準備期間なんだ」と考えてみると、少し心が軽くなります。
この時期の赤ちゃんにとって、離乳食は“栄養補給”よりも“食べる練習”が目的です。
スプーンに慣れる、舌や口の使い方を覚える、味やにおいを感じる。すべてが初めての体験で、脳や体にとっての学習です。
だから、「口に入れたけど出した」「ちょっと触っただけ」でも、それは大きな一歩。
今はまだ“本格的に食べる”時期じゃなくて、これからそのための準備をしているんだと捉えてみてください。
このように捉えると、食べなかった日にも「今日はこんな練習ができたな」と前向きに思えるようになります。
食べない=失敗ではなく、すべてが未来につながる“成長のステップ”なのです。
子どものサインを見逃さない観察力
赤ちゃんは言葉では伝えられませんが、体や表情でたくさんのサインを出しています。
食事の時に顔をそむけたり、スプーンを払いのけたりしたら、「今はイヤだよ」という意思表示。
逆に、口を開けて待っていたり、手を伸ばしてきたら「食べてみたい」というサインです。
こうしたサインを見逃さずにキャッチすることが、離乳食をスムーズに進めるコツになります。
「今日は食べる気分かな?」「ちょっと疲れてるのかな?」と、赤ちゃんの様子をよく観察して対応することで、無理なく進めることができます。
食べた後にお腹の調子が悪くなっていないか、アレルギー反応が出ていないかなどのチェックも大切。
観察力を高めることで、赤ちゃんの体調や食の好みもわかってきます。
育児は“観察と対話の連続”。
言葉の代わりに行動から気持ちを読み取ることで、赤ちゃんとの信頼関係も深まり、自然と“食べること”への道が開けていきますよ。
短期ではなく長い目で見ることが大切
赤ちゃんの離乳食の進み具合は、短期的に見てしまうと「全然食べない」「進んでない」と感じてしまうことがあります。
でも、大切なのは“長い目で見ること”です。
今は全然食べなかったとしても、半年後には手づかみでパクパク食べているかもしれません。
1年後には、家族と同じメニューを少しずつ楽しめるようになっているかもしれません。
育児はマラソンのようなもので、今日や明日で成果が出るものではないのです。
特に離乳食の時期は、1週間単位、1ヶ月単位で見ても「成長してるな」と感じにくいこともあります。
記録をとってみたり、写真で振り返ったりすると、「こんなに変わったんだ」と驚くことも。
焦ってしまったときは、「今はちょっと止まってるだけ」「準備中なんだな」と思うだけで気持ちがグッと楽になります。
赤ちゃんの成長には波があるもの。その波にゆったりと乗るつもりで、日々の変化を楽しみましょう。
食育は“親子の関係づくり”でもある
離乳食は単なる“食べる練習”だけでなく、実はとても大切な“親子の関係づくり”の時間でもあります。
ママやパパが赤ちゃんに食事を用意し、スプーンを運び、反応を見て声をかける…。
この一つひとつのやりとりが、親子の信頼を深めていく大切なコミュニケーションなのです。
「今日はどれくらい食べるかな?」「どんな表情を見せてくれるかな?」といった観察や声かけが、赤ちゃんにとっては「自分を大切にしてくれている」と感じる経験になります。
赤ちゃんが食べ物を拒否しても、それに対して優しく対応することで、「イヤって言っても大丈夫なんだ」「この人は自分の気持ちをわかってくれるんだ」と感じ、信頼関係が育っていきます。
離乳食の時間は、栄養だけではなく“心の栄養”を届ける時間でもあるんですね。
そう思えば、「食べなかったからダメだった」ではなく、「今日も一緒に向き合えた時間があった」と感じられるようになります。
育児は日々の積み重ね。
食べる・食べないの結果だけにとらわれず、「親子で過ごしたこの時間こそが大切」と考えることが、子育てをぐっと楽にしてくれますよ。
離乳食を食べない時期は“成長のひとコマ”

赤ちゃんが離乳食を食べないと、つい不安になったり、「どうして…?」と焦ってしまいがちです。
でも今回ご紹介したように、「食べない」こと自体は決して特別なことではなく、誰にでも起こる“ごく自然な発達の過程”です。
赤ちゃんには赤ちゃんのペースがあり、その子らしいタイミングで“食べること”を学んでいきます。
そして、ママ・パパが焦らずに見守ってあげることで、その成長はきちんと実を結びます。
大切なのは、「食べた量」よりも、「一緒に食べた時間が楽しかったかどうか」。
食事の時間を親子のコミュニケーションの場として楽しむことが、赤ちゃんの“食べる力”を育てる近道です。
「うちの子はうちの子らしく」
―その考え方を大切にして、笑顔で寄り添っていけたら、きっと今の悩みも少しずつ晴れていきますよ。
コメントを残す